一眼レフカメラ動画撮影におけるカメラの設定について
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以前のブログで一眼レフカメラの基本知識についてお伝えしました。
今回は一眼レフカメラで動画を撮影する際の基本的なカメラの設定と撮影モードについてお伝えしたいと思います。
(F値の説明など、前回のブログと重なる部分もあります。)
また、写真にはない「フレームレート」などの専門用語も出てきますので、そちらも合わせて説明します。
フレームレート
動画は複数の静止画からできています。
1秒間に何枚の静止画が入っているかをあらわしたものがフレームレート(単位:fps)となります。
例えばフレームレートが30fpsだとすると、その映像は1秒間に30枚の静止画が切り替わっているという意味です。
フレームレートが高いほど滑らかな動画になりますが、その分データ容量も大きくなり、編集の際などの処理時間もかかってしまいます。
最近の一般的な一眼レフカメラで設定できるフレームレートは、60fps、30fps、24fpsとなっているはずです。
通常は30fpsもしくは60fpsで設定すればよいでしょう。
24fpsはあまり動きがない被写体を撮影する際に設定すればよいと思います。
カメラによっては、120fpsなどの高いフレームレートで撮影できるものもあります。
それはよくスポーツでスローモーションのシーンがあると思いますが、スローにしたいシーンを高いフレームレートで撮影し、それを編集で30fpsにすることにより、コマ落ちのない滑らかなスローモーション映像(1/4倍速)が出来上がるのです。
▼2019/7/7
スローモーションとフレームレートに関しての動画を新しく作ってますのでこちらも参考にしてみてください。
記録サイズ
記録サイズは字のごとく撮影する動画の大きさです。
- 3840 × 2160(4K)
- 1920 × 1080(フルハイビジョン)
- 1280 × 768 (ハイビジョン)
一般的にはよく使われるのはフルハイビジョンかハイビジョンでしょう。
4Kはフルハイビジョンの4倍の画素数で、きめ細やかな映像で綺麗に撮れるのですがデータ容量が非常に大きくなってしまいます。
個人的には、まだまだフルハイビジョンで十分(特にWeb動画)で、使うとしても、フルハイビジョンの動画を制作する際、ズームしたいシーンを4Kで撮っておくことによりノイズのないズームを実現するのに使うくらいかなと思っています。
F値(絞り)
F値(以下絞りと呼びます)は映像のぼけ感と明るさを調整するために設定します。
ぼけ感は被写界深度というピントが合う範囲を調整することにより変わるのです。
絞りは低いほど被写界深度が狭くなり、高いほど被写界深度も深くなります。
簡単に言うと、絞りを下げるほどよくぼかすことができ、絞りを上げるほど全体にピントがあった映像を撮ることができます。
以下に分かりやすい動画をつけましたのでご覧ください。
どういった映像を撮りたいかでこの絞りは変わってくるので、まずはいろいろ数値を変えて試してみてください。
但し、絞りによって明るさも変わってしまうため、後述のシャッタスピードやISOとのバランスも考える必要があります。
シャッタースピード
動画の場合、シャッタスピードはフレームレートの数値の大体2倍くらいの数値が最も自然な動きで見れると言われています。
例えば、フレームレートが30fpsなら、シャッタースピードは1/60秒となります。
24fpsの場合は、1/50秒です。(1/48秒は選べない?ので)
シャッタースピードが早すぎるとカクカクした動き(パラパラ漫画みたい)になってしまいます。
何故かというと、シャッタースピードが早いということは一枚一枚がぶれていない映像が撮れているということになります。
写真の場合はそれでいいのですが、動画の場合は多少のブレがないと滑らかに見えないのです。
ISO
ISOは、カメラのセンサーの光を受ける感度を表した数値であり、高いほど明るく撮影ができますが、その分ノイズが強くなってしまいます。
いかにISOを低くして撮影できるかが綺麗な画質にするポイントです。
ISOを低く撮影するには、絞りを開ける(低くする)、シャッタスピードを下げることにより可能になります。
しかし、ここまでの文章でも説明してきた通り、動画の場合はシャッタースピードはフレームレートの2倍の数値での固定が良く、絞りはぼけ感まで変えてしまうため、あまりぼかしたくない場合でも絞りを下げてしまうことによりぼけてしまいます。
よって動画撮影の明るさは、照明等によりできるだけ周囲を明るくし、その後ISOを調整し撮影することが必要となります。
(事前にノイズが目立たないISOの上限値を確認しておくと良いでしょう。)
逆に、例えばよく晴れた日の外で動画撮影をする場合、背景をぼかして撮影したいため絞りを一番低くすると、一番低いISOで撮影したとしても明るすぎて白飛びした映像になる場合があります。
(それくらい外と室内ではカメラにとって光の強さが全く違うのです。)
そういう場合は、NDフィルタという光を減らすフィルタをレンズに取り付け、ワザと光を取り入れにくくして撮影するのです。
NDフィルタについて下の動画をご覧ください。
NDフィルタを効率よくいろんなレンズで使い回すためのアイテム「ステップアップリング」についてはこちらの動画をご覧ください!
フォーカスモード
AF(オートフォーカス)かMF(マニュアルフォーカス)のどちらかになりますが、撮る内容によって変えましょう。
例えば、インタビュー動画など、基本的にあまり被写体が位置を変えない場合はMFで撮影すると良いでしょう。
逆に子供や犬が走り回っている様子など、被写体に大きな動きがある場合はAFで撮影しましょう。
但し、被写界深度を浅くしている場合、AFだと被写体だけでなく周りのものまで「ピントが合う→ぼける→ピントが合う・・・」となって見づらい映像になる場合もありますので気を付けましょう。
撮影モード
動画も写真と同じようにAモード(絞り優先モード)とSモード(シャッタースピード優先モード)、Pモード(プログラムモード)、マニュアルモードから選ぶことができます。
しかし、ここまでで記載してきた通り、動画撮影途中でF値、シャッタースピードが変わることは良くありません。
従って、マニュアルモードに設定し、とりたい被写界深度(ぼけ感)に合わせてF値を固定、シャッタースピードはフレームレートの2倍で固定して撮影しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
一眼レフカメラでの動画は写真と同様で被写界深度の浅い(ぼけが出る)印象的な映像を撮影することができます。
しかし、ビデオカメラと違い、ささっとまともな映像を撮影とはいかず、それなりの知識と経験がなければ撮りたい映像を撮影するのは難しいでしょう。
その分使いこなすことができれば、映画のような映像も撮影することができるようになりますので、是非挑戦してみてください。
YouTubeにて不定期ですが、動画の撮影や編集方法、一眼動画作例をアップしていますので、参考にしていただければ嬉しいです^^
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